6棟の登録有形文化財
本館
 江戸時代建築、木造3階建てで、見事なケヤキの柱や梁で豪雪に耐えてきた重厚な作りです。一階の囲炉裏のある茶の間や神棚が歴史を感じさせ、その奥には立派な3部屋続きのお座敷があり、そこだけが天井の高い作りとなっています。2階と3階は現在も現役の客室で、昔ながらの湯治場です。つながっている明治棟は和モダンな客室にリニューアルされています。長野県ではほとんど見られなくなった自炊場も近くにあり、長期の湯治滞在も可能です。

新館
 大正3年建築の木造3階建て、地元の宮大工の名棟梁、山岸市太郎の手によるもので、丸太の通し柱や、見事なケヤキの針を使った作りで、当館建物の象徴的な一棟です。角度の違う廊下がL型に繋がり、難しい木組みがされています。2024年の大地震での被害で修復されましたが、木の温もり残した当時の趣のままとなっています。

浴室棟
 昔から変わらぬ元湯の湯殿、大正ロマンを感じさせる、浴槽のデザインです。ケヤキの観音開きの入口も当時のままです。令和3年に徳武棟梁の手によって改装しました。脱衣室は格天井の畳敷きで、和の空間、すっきり使いやすくなりました。2階には大きな梁のある、多目的ルームができ、ワーケーションに利用できます。

前土蔵
 明治18年建築の土蔵です。昔の旅館道具の保管や、穀物などの備蓄に使われてきました。
下野部分の左官のコテ細工など当時の技術が見られます。
2014年の神城断層地震により多きな被害を受け、いまだに修繕できていません。

資料館
 明治42年建築の新土蔵です。昭和54年資料館としてオープンして以来、皆様に温泉文化と小谷の歴史を伝えてまいりました。

薬師堂(瑠璃光 薬師如来)
 建築年は不明ですが、本館より古くからあったと思われます。
これまで多くの湯治客の治療や健康を見守り、この小谷温泉 元湯の守り本尊です。
毎年、5月と11月の7−8日にお祭りを執り行っています。源長寺 住職により健康祈願のお経をいただいております。参加希望者はお問い合わせください。

文化財以外の建物

別館
 平成元年建築の鉄筋コンクリート造りの3階建てです。全部屋トイレ付きとなっており、1階は大広間の食事処です。豪雪や災害に強い建物として、人里離れた、山奥の一軒宿ですが、緊急時には安心の建物です。

外湯 展望風呂
 平成26年に徳武棟梁によってリニューアルされた浴室棟です。昭和30年ごろまでは共同浴場があり、隣の旅館が廃業したのを機に、その場所に再び施設しました。